2021.12.09
メンズファッションを考える上で、ドレス、ワーク、ミリタリー、ストリートといった「系統」は欠かせない要素。革靴も同様にデザインや仕様によって様々に分類されますが、アイテムの背景を知るとファッションはより面白くなるものです。
今回の新作レンジャーモックは、まさしく「ワーク」と定義できる一足に仕上がりました。
「Ranger」とは、直訳すると「森林警備隊員」。「Mocc」は「Moccasin」の略称で、かつてはアメリカの先住民が着用していた一枚革の靴を意味していましたが、現代では甲にU字のステッチを施した革靴のことを指します。
オールデンと同じく19世紀末に生まれたフィルソンやラッセルモカシンといったアメリカン・ワークウェアを象徴するブランドも、元は森林警備隊やハンターに使用されていたと言います。
レンジャーモックとは、まさにそういったアメリカン・ワークの系譜に敬意をこめ、オールデンが再解釈・アップデートして生まれたパターンと言えるでしょう。
アッパーはスコッチグレインカーフ。型押しの革は加工の際に繊維が圧縮され目が詰まることから、革には張りがあり、シボのパターンは力強い印象に。傷が目立ちにくく、タフに履きこむことで生まれる経年変化も楽しみな素材です。
オールデンが使用するシボ革には、きめ細やかなシボ感と光沢のあるアルパインレザー、柔らかくマットな質感のレジーナカーフ等がありますが、中でもスコッチグレインカーフは最も無骨ではないでしょうか。
改めて、スペックを見ていきましょう。力強い型押しのアッパーに、ヴァンプには職人が一針一針丹念に縫ったハンドスキンステッチ。ニッケルのアイレットはワークシューズに見られる意匠で、アイレットの保護の役割を果たします。
羽根から踵まで続くヘヴィーステッチ、ボリュームのあるダブルレザーソールはオイルを含ませ返りの良いウォーターロックの仕様。さらに飴色のアンティーク・エッジのコバ等、靴好きにはたまらないディテールが詰め込まれています。
コーディネートはデニムやペインターパンツ、カバーオール等のワークスタイルには勿論ぴったりとマッチします。また、様々なテイストをミックスするスタイルが人気の昨今なら、お好みで色々な組み合わせを試してみるのも面白いかもしれません。
全ての要素において妥協なくアメリカン・ワークを突き詰めた一足は、ファッションの歴史や背景がお好きならば、きっと気に入っていただけるはずです。
MATERIAL:SCOTCH GRAIN CALF
COLOR:BLACK
LAST:VAN
WIDTH:D
SIZE:6H~9H
OUTSOLE:DOUBLE OILED LEATHER
PRICE:¥107,800
STORE:ラコタハウス全店、ラコタハウスEC
RELEASE:12月10日(金)
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